カリフォルニア州での離婚の基礎知識
離婚は関係者全員にとって、ストレスの多い手続きです。カリフォルニア州では、離婚手続きは長期かつ複雑になる事もあり、手続きに伴う様々な事柄に対し準備ができていない場合、それは一層顕著となってしまいます。ここでは、離婚に関し重大な決断をする際に、気を付けるべき幾つかの項目をご案内致します。
無過失離婚
カリフォルニア州は、無過失離婚(No Fault Divorce)を認めているため、婚姻関係にある当事者はそれぞれ相手方の過失を証明することなく、婚姻関係の解消を求める事ができます。婚姻関係を解消する上で最も一般的な理由は、「和解し難い不和(Irreconcilable Differences)」と呼ばれており、相手方と相容れない事を意味します。婚姻関係を解消するのに、具体的な理由を提示したり証明したりする必要はありません。したがって、相手方が離婚に同意せず手続きへの参加を拒んだとしても、離婚手続きを止めることはできません。
裁判所に行く前に協議を進める利点
まず初めに考える事の一つとして、相手方と意見の不一致がある場合に、裁判官の前での解決を望むのか、あるいは裁判所の外で私的に解決する事を望むのかという事が挙げられます。夫婦間で同意が形成できる場合は、裁判所の外で協議を進める事により、時間、労力、費用などを抑えることができます。裁判所の外で解決を試みる場合の最も典型的な方法として、調停と、協力離婚があります。
カリフォルニア州での離婚のタイムライン
一般的には、カリフォルニア州での離婚は約6か月の待期期間が発生します。しかし複雑なケースでは、全ての手続きが完了するまで数年を要する事もあります。6か月とは、裁判所が判断を下し、婚姻ステータスを既婚者から独身へ復元するまでにかかる最短期間です。
財産分与
財産分与に関する争いは、しばしば離婚手続きを遅らせる原因となります。法により、夫婦は互いに誠意をもって公正に対応する最高度の義務が課せられており、相手方に不当に付け込むべきではありません。したがって、全ての財務関連書類や資産・負債に関する情報は、相手方と適切に交わされる必要があり、離婚手続き中は継続して書類・情報をアップデートする必要があります。情報を開示しなかった場合は、裁判所から金銭的処罰が科されることもあります。
親権と面会
離婚は、子どもと会える頻度を著しく変えることもあります。多くの場合、親権は調停によって決定する事ができ、裁判所は離婚当事者から事情を聞く前に、裁判所命令によって行われる調停に出席するよう命じる事もできます。親権の決定にあたり、裁判所は「子どもにとって最善の利益」を守るために、通常様々な要件を考慮します。裁判所が吟味する要素の一例として、子どもの年齢や健康状態、両親との感情的な繋がりや、主な養育者の役割、子どもと過ごした時間、暴力/虐待歴、生活環境、雇用能力等が挙げられます。
弁護士を雇うべき?
資産/負債がほとんど無く、子どももいないシンプルなケースでは、入手可能な資料や、セルフヘルプ・クリニック、家族法相談員等を活用する事も可能です。もう少し複雑なケースでは、何らかの決断を下す前に弁護士に相談する事が得策です。どんな場合でも、離婚を検討している場合は個人や財産に関する書類など、正確かつ適切な書類収集を開始すべきです。
夫婦ごとにそれぞれ異なる様々な問題を抱えている為、離婚に関する万能な解決方法はありません。人生を変える大きな決断をする前に、必要な情報をしっかり集め、各行動の法的影響を十分に理解することが大切です。