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ハーグ条約:親による連れ去り

ここでは、よくお問合せを頂くハーグ条約について、ならびに近年の変化が日本国民に与える影響についてご案内致します。

国際的な子の奪取の民事面に関する条約(ハーグ条約)とは?

ハーグ条約とは、子どもの迅速な返還のための手続きを定める事によって、子どもを国際的な連れ去りや留置から保護するための多国間条約です。家族法の枠組みに照らせば、この条約は国境を越えた親による子どもの連れ去りに対し、一加盟国から他の加盟国へ不法に連れ去られた子どもの返還手続きを定めています。2014年11月時点では、93ヶ国がこの条約に加盟しており、日本では2014年4月1日より条約の効力が発生しました。

主な要素

• 16才未満の子どもにのみ適応されます
• 条約が適用されるには、それぞれの司法管轄地がハーグ条約加盟国である必要があります(日本、アメリカは、どちらもハーグ条約の加盟国です)
• 子どもが連れ去られた国は、元の居住国(常居所/Habitual Residence)外の国である必要があります
• 子どもは不法に連れ去られている状況下である
• 嘆願者が親権ならびに面会権を有している事、または行使し得たであろう事が必要です

私にも適用されますか?
一方の配偶者が、もう一方の配偶者の許可なく16才未満の子どもを国外へ連れ去ったり、子どもの返還を拒否する場合には、ハーグ条約に基づく救済を受けられる可能性があります。これは国際結婚をした夫婦だけではなく、外国に住んでいる日本人夫婦にも適用されます。

離婚に直面している場合にすべきではないこと
親による子供の誘拐は、犯罪行為です。
カリフォルニアで離婚する場合は、FL-110(召喚状)と呼ばれる書類を記入する必要があります。この書類の裏面は、家族法の基本的な保護命令となっており、未成年の子どもを州外へ連れ出すことや、相手方からの書面による事前の承諾、または裁判所からの命令なく未成年の子どものパスポート申請や更新等をする事が禁止されています。

今後の法展開
2014年11月19日、大阪家庭裁判所にてスリランカにいる父親の元から母親によって連れ去られた4才の子どもは、ハーグ条約に基づき返還されなければならないとの判断を下しました。これは、日本が国際的な子の奪取の民事面に関する条約(ハーグ条約)に加盟してから、国内の裁判所が下した初めての決定です。この決定はニュースでも取り上げられ、今後日本の裁判官がハーグ条約についての理解をより深めるにつれ、様々な問題にどのように対処するのかが注目されます。

助けが必要な場合は?
ハーグ条約適用について詳しい家族法の弁護士とご相談ください。日本で子どもが返還された事例は少ないため、専門家に相談する事をお勧め致します。




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